アダラートは比較的昔からある薬で信頼度の高いお薬です。
一般名はニフェジピンです。
血圧を下げる薬にはいくつかの種類がありますが、アダラートは、血管を覆う平滑筋を緩めることに働きかけます。
そのことで血管が広がり、血圧が下がるという仕組みを利用しています。

アダラートは改良を重ね、アダラート、アダラートL、アダラートCRという3種類に分けられます。
一番最初に開発されたアダラートは即効型で、服薬後すぐに効くという特徴をもっています。
ただ、効果が持続しないというのが欠点でした。
また、すぐに効くため急速に血圧を下げる必要のある病状には向いていましたが、高血圧のように急に血圧を下げるのではなく、穏やかに下げていく、あるいは下がっているという効果が持続しているという状態には不向きでした。

ただ、ニフェジピンは血管に直接働きかけるため副作用が少ない点が利点です。
この利点とアダラートでの欠点を解決させるために生まれたのがアダラートLです。
アダラートの効果が4時間から6時間だったのに対し、L錠では、作用時間が12時間くらい続くため、血圧も安定します。
アダラートに比べ、緩やかに効くため、副作用も少なくなりました。
アダラートが1日3回服用しなければならなかったことに対し、12時間効くアダラートLでは服用回数が1日2回になり、患者さんにとっては服用回数が減り、楽になりました。

さらに改良が加えられたのがアダラートCR錠です。
これは持効タイプで効果が長く続き、24時間効きます。
つまり、患者さんは1日1回だけ飲めばいいことになり、扱いやすさもこの薬の利点です。
持効タイプということは、それだけ血圧も安定します。

現在、高血圧の患者さんには、このアダラートCR錠を用いることが多いです。
今でもアダラートカプセル、アダラートL錠もありますが、ほとんど用いられなくなりました。
血圧が安定するだけあって、副作用もほとんどありません。

アダラートの副作用について

現在、よく用いられているアダラートCR錠ではほとんど副作用はみられませんが、まったくないわけではありません。
アダラートではその急激に血圧が下がることから、めまいや頭痛、頻脈、意識消失といった状態がありました。
アダラートCRではあまりそのようなものはみられません。

ただ、稀に紅皮症、無顆粒球症、血小板減少症、意識障害、肝機能障害などが報告されています。
紅皮症とは、重症薬疹の一つで全身の皮膚が赤く腫れ、表皮がはがれおちる病気です。
無顆粒球症は白血球の中の好中球が減少する状態です。
好中球が減少すると感染症にかかりやすくなるといわれています。

血小板減少症はその名のとおり、血小板が少なくなる病気です。
血小板には止血作用がありますから、これにより、出血しやすくなります。
肝機能障害では長期間薬を飲むことで肝臓に負担をかけ、ひどくなると黄疸が出ることがあります。

そのほか、近年、ニフェジピンを長年服用していると歯肉の腫れを起こすと報告があります。
歯肉肥大という病気です。
これは、若い人ほど、服用量の多い人ほどなりやすいといわれています。

歯肉の腫れは軽度なものは歯と歯の間の部分が腫れる程度で、ひどい人では、歯が完全に隠れてしまうほどになってしまうこともあります。
高血圧の薬は長く飲む必要のある薬なので、この状態を防ぐにはこまめに歯科医院に通院し、チェックを受けたり、歯石除去を行うなどすべきです。
また歯磨きにも気を遣い、歯垢が残らないよう、デンタルフロスを使うなど対策を講じましょう。

高血圧は一度薬を飲み始めると、薬を止めるということはまずない病気です。
薬のいいところと悪いところを知り、上手につきあっていくことが必要です。