高血圧とはWHOの基準で収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上と定義されています。
日常の生活で血圧は変動しうるものであり、人によって血圧の変動幅は異なります。
また運動や興奮などで一時的に血圧が高くなることがあり、すぐにおさまれば良いのですが、安静時から血圧の高い状態が持続する場合や身体に何らかの症状が見られる場合は高血圧の疑いがあるかも知れません。

一般的に高血圧に伴いやすい症状としては様々ありますが、その中のひとつとして浮腫(むくみ)が挙げられます。
浮腫とは血液中の余分な老廃物や水分が体外に排出されにくくなることで生じるものですが、この血液中の余分な老廃物や水分排出の働きに大きく関与しているのが腎臓です。
腎臓には糸球体という血管が網目のように張り巡らされたろ過装置があります。
この糸球体のろ過装置を通して老廃物や水分が尿として体外に排出されることになります。
しかし、高血圧のように血圧が高い状態が続くと糸球体の血管の硬化を招き、ろ過機能がうまく働かなくなることで浮腫が生じやすくなります。
なお、浮腫は手足だけでなく全身に生じやすいという特徴があります。

このように浮腫は腎臓にも負担がかかっている要因でもあることから、治療によって改善を図っていく必要があります。
浮腫の対症療法で代表的な治療薬としてはラシックス(フロセミド)が良く知られています。
ラシックス(フロセミド)は浮腫の治療を目的としたループ利尿薬のひとつであり利尿作用を促すことと、同時に降圧すなわち血圧を下げる目的で用いられたりします。
ラシックス(フロセミド)の作用機序について触れます。

ラシックス(フロセミド)による作用機序は、腎臓で作られた尿が尿道を経由して膀胱へ至る過程で水分の再吸収に大きく関与するヘンレのループと呼ばれるところに作用して水分の再吸収を抑制、尿量の増加を促します。
つまり、尿量を増やして体外に排出する水分量が増えれば血液中の余分な老廃物や水分が減少するため浮腫の改善につながることになります。
ラシックス(フロセミド)はその作用の速効性と強力な利尿作用が特徴で、浮腫の改善には有用な治療薬であるといえます。
反面、副作用はゼロではなく場合によって起立性低血圧や低カリウム血症などといった副作用が現れることがあるとされています。

浮腫みが酷くなると腎臓機能が低下するので注意

高血圧では浮腫が生じやすいことについては上記で触れましたが、高血圧と腎機能は密接に関係しているといえます。
高血圧は腎機能を低下させる要因につながり、逆に腎機能の低下が高血圧を招く要因につながりかねません。
いずれにしても浮腫はひとつのサインとして捉える必要があり、浮腫が酷くなると著しい腎機能低下をもたらしている恐れがあるといえます。

上記でも触れましたが、腎臓は体内における代謝で生じた余分な老廃物や水分、ナトリウムをろ過して尿として体外に排出するといった水分調節に重要な働きをしているとともに、ホルモンの分泌によって血圧や尿量をコントロールする働きもしています。
しかし、高血圧が続くと、腎臓の血管の硬化をきたしやすくなり、それによって血行不良が生じると血管抵抗が高くなります。
血管抵抗が高くなるとさらに血圧上昇やろ過機能低下による水分調節の不調を招くことになります。
また、血行不良はホルモン作用の面からも血圧上昇や尿量抑制の助長を招きます。
これらのことから、浮腫が高血圧と腎機能低下の相互の悪循環によって現れる重要なサインとして捉えることができます。

これをふまえて、腎機能の状態を知る方法のひとつとして血液検査を挙げることができます。
腎機能を表す指標として代表的な項目には、血清クレアチニンや尿素窒素があります。
血清クレアチニンは筋肉のエネルギー代謝による副産物すなわち老廃物であり、一方の尿素窒素も同様にエネルギー代謝によるタンパク質の老廃物になります。
いずれも尿として体外に排出されるものであるため、腎機能低下が生じている場合には血液中の血清クレアチニンや尿素窒素の量が多くなる傾向が高くなりやすいことから、これらの値が高い場合は腎機能低下の疑いがあると考えられます。
いずれにしても浮腫が酷くなると腎機能低下をきたしていることがあるため注意が必要であるといえます。