高血圧の薬とグレープフルーツジュースは相性が悪い、としばしば言われますが、すべての高血圧の薬が相性が悪いという訳ではありません。
高血圧の薬には、色々な種類がありますが、カルシウム拮抗薬と呼ばれている種類が、グレープフルーツとの相性が問題になります。
どのように相性が悪いのかですが、高血圧の治療薬すなわち降圧薬の作用を強めてしまいます。

グレープフルーツに含まれる天然フラボノイドの1種であるフラノクマリンという物質(酵素)が、小腸上皮細胞や肝臓にあるチトクロームp4503A4(CYP3A4)という代謝酵素を阻害するからです。
そのため、カルシウム拮抗薬の代謝が妨げられ、薬の血中濃度が上がります。

つまり、高血圧治療薬の効果が強く出ることや、強く出過ぎることがあります。
カルシウム拮抗薬は血管をおおっている平滑筋に作用して血管を広げて血圧を下げるお薬です。
この作用が強く出ると、ふらついたり、胸がドキドキとして動悸がしたり、頭痛が起きたりします。
ひどい時には血圧が下がり過ぎて失神してしまうこともあります。
転落や失神した時に頭を打つなどのリスクもあるので、危険です。

フラノクマリンという酵素は、グレープフルーツ以外にも、夏ミカンやポンカン、伊予かん、はっさく、スウィーティー、金柑にも含まれているので、これらも要注意です。
しかし、バレンシアオレンジやレモン、カボス、温州ミカンはフラノクマリンを含んでいないので、大丈夫です。

血中濃度の上昇は3日くらい続く時もあるので、カルシウム拮抗薬を服用中は、グレープフルーツジュースは控えた方が良いと言われています。
しかし、おやつとしてコップ1杯程度のグレープフルーツジュースを飲む程度なら、それほど代謝酵素の働きを阻害することはないだろう、大きな支障はないだろうと考える医師が大半です。
ただし、カルシウム拮抗薬を服用する前後に、グレープフルーツジュースを飲むのは止めてください。

現在、高血圧の治療には、約6割くらいの割合でカルシウム拮抗薬が使われていますが、それ以外の降圧薬は、グレープフルーツジュースを飲んでも大丈夫です。
ご自身が服用中の降圧薬がどの種類なのか分らない時は、主治医や薬剤師さんに聞いて、確認しましょう。

治療薬は肝臓に負担をかけてしまうので注意しましょう

お薬が体の中に入ってから排泄されるまでには、2通りのコースがあります。
腎臓排泄と肝臓排泄です。
腎臓を通って尿として排泄される腎臓排泄の薬と、肝臓を通って胆汁と共に便として排泄される感想排せつの2タイプがあります。

カルシウム拮抗薬は便として排泄される肝臓排泄です。
そのため、肝臓に負担をかけることになるので、肝臓の機能が低下してる人には禁忌(使ってはいけない)となっています。

カルシウム拮抗薬を服用している時は、定期的に肝臓の機能が低下していないか、採血をして調べる必要があります。
また、他の薬を服用している時は、肝臓に負担をかける薬ばかりが重なっていないかなどをチェックする必要もあるので、必ずお薬手帳を持参してください。
服用している薬がある時は、必ず医師にその薬の名前が判るようにしてください。

医療機関で貰ったお薬だけではなく、自分で薬局で買ってきたお薬や漢方薬や健康食品、サプリメントも肝臓に負担をかける物があります。
これらも必ず担当医に申告して下さい。

肝臓の機能が低下した場合は、黄疸がでることが多いです。
黄疸と言うのは、顔や目の白目の部分が黄色くなってくる状態です。
高血圧の治療薬を服用中に、白目が黄色くなっていることに気がついた場合は、次の診察日まで待たずに、主治医に連絡して診察を受けてください。
また、倦怠感が続いたり、体のだるさを感じるなどが、肝機能低下のサインです。

高血圧の薬を服用中に何か気になることがある場合も、決して自己判断で薬の量を増やしたり減らしたりしないでください。
素人判断でお薬の量を加減すると、思いもよらぬ事態や救急車を呼ばなくてはならない事態にまで陥ることもあります。
気になることがある場合は、必ず主治医に連絡してください。
連絡がつかない場合は、お薬110番や救急病院に電話するなどしてください。